私はいま、研究開発部で受託合成の仕事に携わっています。受託合成というのは、お客様から依頼された「化合物(化学物質)」を実験室で開発して量産化検討を行う仕事です。
私は化学が好きで、この会社を選んだ第一の理由も、化学の仕事に携わりたかったからです。また、化学メーカーは数多くありますが、その中から当社を選択したのは、大学で有機合成の研究室にいたためです。その研究テーマと、当社の有機化合に関する取り組みがかなり近いと感じられたので、当社への入社を決断しました。
もっとも、大学での研究と、会社での研究はかなり違います。まず、スケールが会社のほうが格段に大きいですし、どれだけの収率で目的の化合物がとれるかに対する追求のし方も、当たり前の話ですが、会社のほうがはるかにシビアです。加えて、化合物の品質についても高いレベルで安定させなければなりません。さらに決定的な違いと言えるのが、大学とは異なり、会社では、最終的に製造装置を使って化合物を生産する点です。製造装置の扱いはなかなか難度が高く、実験室ではうまく化合物が作れるのに、製造装置になると、配管が詰まるなどのトラブルに見舞われ、失敗が続くことがあります。
私は、それに悩まされていましたが、実のところ、そうした失敗の連続の中で、解決策を考え抜くことで、新しい知見が生まれていきます。また、精神的にも鍛えられ、いまの私は多少の失敗にはめげなくなりましたし、失敗に見舞われても、あきらめずに、粘り強くことにあたれば、問題は必ず解決できるとの自信も持てるようになりました。これは、要するに、トライ&エラーの繰り返しの中で、化学の研究を職業として展開するための知識と経験、スキル、そして精神力が鍛えられているということです。
このように、研究者としての経験を積む中で感じる当社の魅力の一つは、部署をまたいだ風通しの良さです。当社の社員数は100人程度で、全員の顔と名前が一致しますし、組織の風土はとてもオープンで、異なる部署の間で自由に意見が出し合えます。また、私のように社歴がそれほど長くない人間の意見も尊重してもらえますし、意見に合理性があれば、取り入れてもらえます。もちろん、こちらがわからないこと、知らないことに対しては、丁寧に教えてくれます。
もう一つ、強調したい当社の魅力は、新規技術にチャレンジすること、あるいは、新しい何かに挑戦することが、会社の文化として組織に根付いている点です。私のように化学が好きで、新しいことに挑戦するのが好きな人にとっては、やりがいが感じられる職場だと思います。とりわけ、何事にも受け身にならず、自ら考えて、率先して行動がとれる人ならば、当社で楽しく仕事が行えるはずです。ぜひ、そうした人に当社の門をたたいていただき、一緒に新しいことに挑戦していきたいと願っています。
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